雨の金剛山でテント泊デビュー DAY1

2020/12/19

#PHOTOS
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エアライズ1
11月7日のこと。

前回の記事でテント泊の装備を揃えたので、デビューにふさわしい場所を探していた。

どこに泊まるのか

どれくらい重い装備になるんだろうと、試しにテントをザックに詰め込むと日帰りよりも5kgほど重くなった。これを持って行ける山ってどこだろう?と散々調べた。あーでもないこーでもないと調べていると月日がどんどん過ぎてしまった。住んでいる京都市近郊で絞り込んだ候補は以下の場所。

  • 【奈良県】大峰山・弥山
  • 【滋賀県】武奈ヶ岳近くにある八雲湿原
  • 【奈良県・大阪府】金剛山

大峰山・弥山は関西最高峰で自宅からも結構遠い。武奈ヶ岳にある八雲湿原はテント場として営業されている場所ではなくて、ただのテント泊する人も居るという場所なので湿原以外トイレも何もない。金剛山はテント場があるが予約制だったのを出発前夜に知り一度断念。

半ば投げやりになりつつ出した答えはやっぱりテント泊デビューにうってつけという金剛山だった。2ヶ月前から予約が取れるようだったのと、秋のハイシーズンであることから半ば諦めながらも電話すると繋がらなかった。 テント泊装備一式を調べる流れからの疲労で、行く前から心が折れそう。一日置いてから電話してようやく繋がり2週間後に予約が取れた。意外と空いているものである。

金剛山予約の電話

テントを買って早1ヶ月。なぜか毎週末てんくらはC判定で今週も駄目だ〜っと諦めていたけど、もう予約を取ってしまった。日が近づくにつれ、てんくらの判定が怪しくなってきて結局2日間ともC判定の日に登る事になった。しかも雨。

てんくらC

準備

そもそも金剛山に登るのは初めてだったけど、テントの立て方なんかを調べていたらあっという間に当日になってしまい、あまり調べないままYAMAPの地図だけスマホにDLして出発した。テント自体は家の中で2度立てたけど、張り縄の結び方が忘れそうだったので雑誌の記事の写真を撮っておいた。

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この雑誌は一通り載っていて非常に助かった。

今回、グラウンドエリアではなく木のデッキスペースしか借りられなかったので、張り縄は石にすることになる。本当はグラウンドエリアでペグを打ち込みたかったが仕方ない。色々調べているとまあ色々流儀があるようで、どれを覚えればいいのかパニック。吟味した結果、以下のように張り縄を一度外して自在を逆に取り付ける方法を採用した。家にあるウィスキー瓶や水筒やらを石に見立てて練習。

初めての金剛山

金剛山登山口

いつもはせいぜい7kgくらいのザックが今日は12.6kg。車を降りて背負った瞬間のズッシリとする感じがやっぱり全然違う。これからこいつを背負って登るのに少し足がふらついた。しかし登山口まで歩いている内に、重さはまあまあ感じるものの体は安定してきて徐々に慣れてきた。駐車場のすぐ隣りにある登山口からクライムオン!

金剛山

クライムオンと意気込んだものの、めちゃくちゃ平和なアスファルト道が続く。脇には豊富な水量の川が流れて気持ちいい。

金剛山の丸太の橋

キャンプ場のチェックインの時間があるので、あんまり早く到着しても駄目なので、今回は13時前の出発でいつもの日帰りと比べてとても遅いスタート。ひとまず時間通りにキャンプ場に行かないと…と思いYAMAPで最短ルートを見てみると、テント場に向かって不自然に直線に伸びているルートを発見。しかし行ったり来たりしていくら探しても、そんなルートが見当たらない。

ルート

黃緑の線のルートに行きたかった。近いから。しかし無い。探せども探せども藪しか無い。もしかするとGPSがバグって記録されていたのだろうか。

金剛山の細尾谷ルート

道がないなら仕方ないと、現時点から1番早くテント場に付きそうなルートを進むことにした。細尾谷ルートである(名前は後から知った)。しかしこのルート、登っても登ってもずっと沢である。それもそのはず、谷を進むルートだからである。YAMAPだけが頼りである。

金剛山の細尾谷ルート

延々この薄暗くて湿っぽい景色が続く。しかもこのルートに入ってから全く人と合わず、めちゃくちゃ心細かった。

金剛山のケルン

ようやく見つけた人工物。こんなものでも人の気配を感じられて少し安心する。途中、何度も湧き水があり、コップが設置してあったが、最近エキノコックスについて知った直後だったので敬遠していた(昔屋久島に行った時はガブガブ飲んでいた)。しかし1回くらい飲んでおこうと思い、次に湧き水があったら飲もうと決めて登った。案の定、コップが設置された湧き水が現れたので飲むぞ〜っとコップを持ったところ、むちゃくちゃ砂が沈殿していて、コップに新しい水を汲んでも砂が舞っている状態だったので敢え無く断念。そういうとこ、あるよね…。

このあたりで雨が降ってきてレインウェアを着た。

金剛山の細尾谷ルートを抜ける直前

ようやく岩ゾーンを抜けた。道っぽいだけで安心する。

金剛山で雨

14時15分ごろ、ロープウェイ乗り場へ続く登山道へ合流した。

金剛山の落ち葉 金剛山の落ち葉 金剛山の落ち葉

落ち葉が場所によって全然違って面白い。なんだか甘い匂いもする。

金剛山のロープウェイ乗り場

ロープウェイ乗り場。展望!

金剛山の落ち葉 金剛山の落ち葉 金剛山のキャンプ場入り口

14時57分にちはや園地 金剛山キャンプ場に到着した。ようやく人に会えた。受付で支払いをして炊事場の蛇口をひねるキー?を渡される。この頃には雨は止んでいたけど濃霧。

金剛山の炊事場

キャンプ場ではこの炊事場以外は火気厳禁。テントでしっぽりしようと思っていたけど仕方ない。

金剛山のキャンプ場 金剛山のキャンプ場

ここが今日の寝床。

ザック

背負ってきたザック。

エアライズ1

無事テント設営完了。毎回ポールが折れないかビビる。

テント設営完了

おお〜。イイゾ〜これ。

金剛山の展望台

テントをたてたらもう16時過ぎ。もうすぐ暗くなるので迷ったが、行けるところまで行ってみようと、小さい鍵でテントを施錠して山頂に向かう。その途中の格好いい展望台。

金剛山の見晴らし

登ってみたらこの展望。風も強い。

金剛山のきのこ 金剛山の見晴らし

この感じはなんだか映画「ミスト」を思い出す。

金剛山の登山道

この時間帯で初めての山で雨まじりの濃霧で結構怖かった。茂みからガサガサ!と聞こえたのでUターンしてテントへ戻った。

金剛山の紅葉

トイレの前のとっても赤い葉。やることもないので、テント内でシュラフに入ってスマホをポチポチしていたら、18時前くらいから次第に炊事場が騒がしくなってきた。特に炊事場の前のエリアにテントを立てているので余計に聞こえるのだろう。

とはいえ、グラウンドエリアは予約が取れなかったものの、キャンプ場にはそんなに人は見受けられなかったので、まあそのうち捌けるだろうと思っていた。そう、一人でしっぽり飯を食いたいのだ。しかし待てども待てども声が止まない。気がつけば2時間待っている。これはもう流石に腹が減ったぞと、雨の中飛び出して炊事場へ向かった。

金剛山で晩ごはん

おじさん3名グループと若い女性2名グループがいた。おじさん達は焼き肉、熱燗、燻製を作ったり、色々なものを炊事場全体に広げていて困った。ワインのボトルまで持ってきている。端っこの席を使って良いですか?と聞くと雨に濡れるから中に入りなよと中央の大きいテーブルに通される。若い女性2名はデカイ火をおこしてキャッキャと調理している。頼まれてもないのに、女性グループにおじさんが火の起こし方をレクチャーしている。

嗚呼、なんだか申し訳ないけど、この感じは正直凄く苦手な雰囲気である。さっさと食事を済ませてテントに戻ろうと思って味噌ラーメンとおにぎりを取り出す。他のグループと比べるととてつもなく質素な食卓だ。ラーメンができるまではビールを飲んだけど、知らない人の輪にポツンと一人で座っている緊張感からあまり味がしなかった。おじさんグループが作って余ったというローストビーフを一皿も貰った。ビールを飲みすすめるうちに少し緊張が解れてきてローストビーフも美味しくいただいた。

眠れない

食事を済ませ、そそくさとテントに戻って歯を磨いてシュラフに入る。そう…山の朝は早いのだ(キリッ。

が、いつまで経っても炊事場が煩い。なんなら音楽が聞こえてくる。なんでや、山ってすぐ寝るんちゃうんか…。23時頃ようやく炊事場が静になって一安心。テントの入口から炊事場の方を覗いてみると、おじさん一人が炊事場の長椅子で寝ていた。

が、今度は上の方から女性の話し声が聞こえる。笑い声は響くし、かろうじて内容も聞こえそうな音量である。というかテント1枚なので何でもよく聞こえる。雨もザーザー降りで、木から落ちてくる水滴がボタボタと凄い音。ずっとトトロのバス停のシーンみたいな状態。

その後、どうしても0時を過ぎても話し声は収まらず、一度「すいませーん!煩いんですけど!」と上に向かって叫んでみたが効果なし。本当にイライラして直接言いに行こうかと思ったが、わざわざレインウェアを着て、雨の中知らない男が女性のテントに現れたら案件になりそうだと思ってグッと我慢。寝られないのでひたすら植村直己の本を読んでいた。

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深夜2時頃、話し声がようやく完全に静になる。丁度雨も止んだ。寝付けない間、ネットでテント場の騒音について調べていたら、「山で起こることは自己責任だし、テント場での騒音も自分が勝手にそう感じているだけで耳栓でも持ってきていないのが悪い。まあ煩い方が悪いのは当然だけど」という主旨の意見があり、ごもっとも。今度から耳栓を持っていこうと誓った。

そしていつの間にか眠りについた。

写真が多すぎるので次回につづく。

つづき:雨の金剛山でテント泊デビュー DAY2

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