南アルプス・鳳凰三山に登った

2023/02/16

色々忙しかったので、今更8月に南アルプスの鳳凰三山に登った事を書く(もう2月中旬だゾ☆)。

日程2022/8/13-8/15

初アルプスで初山小屋泊の山行。普段は日帰り登山ばかりの僕からすると、アルプスは上級者が行くようなイメージがあったので、山小屋を予約する前から本当に自分の体力技術で行って帰ってこれるのか不安だった。しかしどうしてもテレビで見たアルプス、登山用品店のレジのバックにデカデカと貼り出されているアルプスに実際に自分の足で行ってみたくて、清水の舞台から飛び降りる気持ちで山小屋を予約した。もう後には引けないので出発日に合わせてできる限り、体力と酷暑順応に努めることにした。

準備

武奈ヶ岳を早めに登る

御殿山・武奈ヶ岳 / 馬上から失礼しますさんの活動データ | YAMAP / ヤマップ

登り慣れた武奈ヶ岳を速いペースで登ることで心肺機能を強化した。

近所の銭湯のサウナで酷暑順応

初めて行った近所の銭湯だったが、結構快適だった。サウナに酷暑順応の効果があるのかわからなかったが、以前、武奈ヶ岳で熱中症になったこともあり、暑さと水分補給はできるだけのことはやっておきたかったのだ。粉末タイプの経口補水液を新たにファーストエイドの一員に迎えた。

炎天下の28km走

猛暑日で注意報が出ていた日に、電車で茨木駅まで行って走って(ほぼ歩いた)帰った。あまりにも暑すぎて氷をザックに入れて走った。

愛宕山で歩荷トレ

愛宕山 / 馬上から失礼しますさんの活動データ | YAMAP / ヤマップ

歩荷トレとはいっても12kgくらい。2往復できれば鳳凰三山の1日目の累積標高1800m強になるなと思い、2往復するつもりだったが、風が通らない愛宕山はあまりにも暑く1往復にて下山。自分以外にも夏山に向けてトレーニングしている人が多かったのが印象的だった。

天気

あーだーこーだと色々自分で考えながら過ごしていく内に、今度は天気が怪しくなってきて、なんと登山前日に台風が直撃する予報になっている。予定は以下のプランである。

  1. 【台風直撃?】8/13に京都を車で出発して登山口で車中泊
  2. 8/14からドンドコ沢ルートから登り始めて鳳凰小屋へ1泊
  3. 8/15に鳳凰三山を縦走して中道ルートから下山

台風が直撃している真っ只中に、本当に山中で車中泊するのか?と中止をすべきかどうかかなり悩んだ。車中泊する場所を変えて、とりあえず登れるところまで行ってみる?まだ行き慣れた山であればまだしも、行ったこともない山の状況など想像ができず、最悪登山口に辿り着く前に土砂崩れでも起きててもおかしくないのでは?と不安になり、前日8/12は1日中天気予報を眺めていた(仕事は?)。

天気予報を見てもサイトによって降水量が数十mmだったり、数mmとしている予報があってかなりバラツキがあったものの、台風であることには変わりなく、8/12夜の時点でこれは中止だなと意気消沈していた。なぜなら南アルプスとは体力自慢の人間のみが辿り付ける極地であり、低山ハイクを繰り返すデスクワーカーには余程の条件が整わない限りその地を踏むのは難しい、と割と本気で思っていたからだ。登り終わったこの文章を書いている今は、それは酷い思い込みが思えるのだけど、当時の僕はそれくらい慎重だったし特別な場所だと感じていたのだ。

念の為、パッキングしてその日は意気消沈して就寝。

8/13

一縷の望みとキャンセルの詫びの言葉の両方を用意してから、山小屋に電話をして台風の状況を念の為聞いてみた。気象が平地とは異なる山の天気は、天気予報よりも山小屋の人に聞いた方が良いはず。すると全然問題ない台風で、むしろ山小屋への予約が増えてるよ、との回答だった。何ということだろう、考えていたのとは正反対だった。帰ってから調べてみると、大きな山が連なっている県は山が壁となり、台風の影響があまりないそうだ。

電話した時点で予定のない連休を過ごすつもりになっていたので時間は既に予定時間をやや過ぎている。僕は電話を切るとすぐに家を出発し実家へ向かった。FIAT500では南アルプスまで行ける気がしないので車を借りるためだ。

午前中なのにすでに車内は40度以上。運転するってレベルじゃねーぞ。やっぱりFIAT500では南アルプスに付く前に熱中症になってしまう。連休初日で道が混んでいたため、実家の軽自動車に乗り換えた時には昼12時を回っていた。

京都を出発してしばらくしてから気がついた。GoProのバッテリーを忘れた。

眠たくなってきたので長めに休みたいが、到着時間も気になってしまう。そしてやっぱり雲行きが怪しい。一人なので運転を代わる人もいないし、疲れ・天候とともに気が萎んででいくのが分かる。

諏訪湖に到着。眺めの良い店があったので、そこで晩御飯にした。

情けないことに京都から距離が遠くなるほどにホームシックになっていくが、こんな暗い山中で車中泊するんだから仕方ない。頑張って運転して21時頃に登山口にある青木鉱泉に到着。他にも車は3,4台止まっていた。

22時過ぎには寝られたが、結局寝たり起きたりを繰り返した。

8/14

寝る時もスマートウォッチを着ていたのだけど、睡眠スコアが過去最高に良かった。どうやら普通に家の布団で寝るより車中泊の方が向いているらしい。寝たり起きたりを繰り返したが、意外と体は元気だった。朝6:00に車から出たらいつの間にか車で一杯になっていた。

身支度を済ませて登山開始。今日の行程はドンドコ沢ルートで鳳凰小屋まで登る。登山雑誌には中級者向けとあった定番のルートであるが、滝と渡渉もあるので台風で水量が増えていないか慎重に行こう。

青木鉱泉(温泉)の脇に登山口はある。

ドンドコ沢~鳳凰小屋で一泊~鳳凰三山を縦走~中道から下山という予定である。

まあまあの傾斜が続くが、アルプスを登っているという高揚感があって全然しんどくない。昨日から緊張が続いていたが、ようやくテンションが上ってきた。

このドンドコ沢ルートは滝が多い。登山道から少し離れているところもあるが、できるだけ寄って滝を見に行ったがどれも大きくて迫力があった。

この滝は真下まで行くことができた。

エアプランツみたいのもあちこちに自生していた。

植物の感じがやっぱり低山とは違うように思う。

ここまでくればもうすぐ山小屋に着く。奥の方に地蔵岳のオベリスク(尖った岩)が見えていた。

12時過ぎに鳳凰小屋に到着!確か14時までには到着しないと夕飯出せませんと言われてたので、ひとまず間に合って一安心。今回は山小屋に夕飯・朝飯付きのプランにした。先に支払いをして山小屋グッズも購入。

初の山小屋でおっかなびっくり。人は居るけど音が反響しないので、音が遠い感じで穏やかな空間だった。建物の隣はテントサイトになっていて結構賑わっていた。昼ごはんがまだなので、荷物を置いて庭で食事にする。

山小屋に草履が置いてあったが、無かったら面倒だなと思って、持参した自作ワラーチに履き替えてみたが裸足でしか履けないので寒かった。真夏なのに寒なんて流石アルプスだ。

食べ終わってもまだ13時半。夕飯まではまだ時間があるので、明日行く予定の地蔵岳まで行ってみることにした。心配なので全荷物背負って。しかしこの砂場が厄介で1歩進めばズリズリズリ…と滑って半歩下がってしまう。5m程進んで息切れて休んで登ってを繰り返してどうにか地蔵岳に到着。

到着する前から「凄い」しか言ってなかった。本当にこんな景色はテレビでしか見たことが無い。

事前調査ではオベリスク部分には一応登れるらしい。爆風の中、全荷物を背負ったまま途中まで登ってみた。でもやっぱりヘルメットも無いし怖かったので、途中までにしておいた。こんなところで怪我したら帰れないしね。

標識はオベリスクよりもっと下の広場にある。ここから暫くオベリスクを眺めていたら、登山を初めてからテレビでこの地蔵岳を見て行ってみたいなと思って、近所の山に登ったり体力を付けるためにランニングを始めたり、自分で試行錯誤して自分の足でここまでこれたんだなぁとシミジミして少し泣いた。やればできるやんって。

山小屋に戻ってビールを買った。持ってきたツマミでチビチビ飲んだ。三国志もわざわざジップロックに入れて持ってきたが、外で読むのは結構寒かった。次第に外が暗くなってきたので、小屋の布団に潜ってヘッドライトを付けて夕飯の時間まで読んだ。因みに鳳凰小屋ではギリギリ電波が入るが、テキストなら送れるっぽいけど運次第といった電波状況だった。

夕飯は17時半ごろから小屋のカレー。知らない人達とかなり距離が近い座席なので、少し緊張しつつの食事だった。食事中に小屋の方が「明日の天気は晴れです!」というとワ〜ッと場の雰囲気が明るくなった。日の出を見るには3時頃に小屋を出発すれば良いそうだ。

食後はすぐに寝ようと思ってスマホのアラームをセット。しかしここで問題発生!なぜかサウンドの初期値が「おジャ魔女カーニバル!!」になってしまっていて、これを変更しようとするとタップすると音が鳴ってしまうのだ。周囲の人はまだ起きている。しかし電気もない室内は既に真っ暗闇なので、流石にこの状況で「おジャ魔女カーニバル!!」が一瞬でも流れるはキツい。しかしアラームがないと起きれない。難しい決断に迫られた結果、なるべく音ではなくバイブレーションで気づくようにスマホを抱きながら、3時にアラームが鳴った瞬間に消すという方法。うまくいくだろうか。

しかし全然寝付けない。耳栓をしているのに右隣りからは「ぐが〜…ぷしゅっ!ぷはぁ…ぐが〜…ぷしゅっ!ぷはぁ…」と変な息継ぎをするオジサン。左隣からは「ぐが〜ぐが〜」とひたすら煩いオジサンのイビキに悩まされた。普段オジサンのイビキを聞く機会などないので、こんなにも汚いんだなと思った。コロナ禍だから間隔を開けて布団が敷いてあったが、これが通常通りだったら一睡もできないだろう。

寝る前に歯磨きをしに外に出た時はダウンを着ないと寒いくらいだったのに、未だにクールダウンしきれていない火照った体が暑くて暑くて、布団の中ではシャツにパンツ姿だった。ようやくウトウトし始めると、今度は空いた窓から入ってきた蛾が顔にアタックしてきた。ずっとアタックしてくるのでこのまま寝てしまうと潰してしまいそう。音だけを頼りに勘だけで掴んでみたらなんと一発で掴むことに成功したので、特に煩いオジサンの方向に投げておいた。その後いつの間にか就寝。

8/15

登山者の朝は早い。
周りのゴソゴソする音で「おジャ魔女カーニバル!!」が鳴る前の3時に起床。熟睡とは程遠い寝起きである。まだ寝ている人も居る中、歯を磨きに外に出ると冬かと思うくらいキンキンに冷えていた。朝の弁当は昨晩の内に貰っているが、山頂で食べたいので気圧でパンパンに膨らんだプロテインバーだけ頬張っていざ地蔵岳へ出発。

小屋の前には結構人がいたものの、地蔵岳方面のには全然人が居ないのがちょっと怖かったので、昨日のうちに歩いておいて良かったと思った。樹林帯を抜けて昨日悪戦苦闘した砂地まで出ると、夜明けは近かった。

このあたりからシャッターを切りまくりで、記事に載せる写真を選ぶのに苦労することになった(殆ど一緒の写真で何が違うのか分からない)。

なんとか登りきった!しかしやっぱり人が殆どいない。ヘッドライトの明かりが遠くに見えるので、どうやら地蔵岳ではなく隣の観音岳に登っているようだった。確かに観音岳からだとこの地蔵岳のオベリスクと日の出が美しい気もする。僕はそんな事は考えず、この旅のメインである地蔵岳から日の出が見れるッ!!!と思って登ってきただけだったので、やっちまった〜と思った。

今更間に合わないので遠くの富士山を眺める。1人で座っている女性に「オベリスクが邪魔で太陽見えないっすね」なんて自傷気味に話しかける。地図を見ると反対側に15分くらいで登れる赤抜沢ノ頭という山があったので行ってみることにした。


結構いい感じに太陽が登ってきてるのでは?

赤抜沢ノ頭に到着。

いいじゃないか^^

ここで山小屋で貰った朝弁当を食べた。本当に生きてきた中で最高の景色の中で食べる朝ごはん。風が凄く寒かった。食べ終わってもまだ5:30だった。

次の観音岳を目指して歩き出すが、景色が良すぎて中々進まなかった。

これは遠くに見えた山。

素晴らしい登山道である。

観音岳に到着。地蔵岳、観音岳、薬師岳の3つ合わせて鳳凰三山という。

観音岳からの景色は大パノラマで素晴らしい。

小休憩後、最後の薬師岳へ。

8:12薬師岳到着。この時には結構足が疲れていた。

薬師岳から南に行ったところに砂払岳という山があったので、ピークハントしておこうと思って、薬師小屋を通過して砂払岳に向かったが、山頂がどこかわからなかった。

今日、何度か同じ女性とすれ違った際に話したら、僕とは違う夜叉神峠ルートから帰るとのことで、互いに気をつけて下山しましょうという事を言い合ったのがなんか良かった。さすがアルプス。愛宕山ではこんな会話は発生しない。

もう一度薬師岳に戻ってきて中道ルートへ入って下山開始。もう終わっちゃうのか〜という気持ち半分、かなり距離が長いので早く下山したい気持ち半分。

地図で確認しているのでわかってはいたが改めて長いな…と思っていたら、あと3時間弱という看板を見て真顔になる。


鬱蒼と茂っていて人も殆ど居ない。まだまだ距離はあるのに膝がガクガクし始めて踏ん張りが効かなくなってきた。それなりにトレーニングしたつもりだったけど、まだまだだったようだ。樹林帯だけど綺麗で、でもめちゃくちゃ体は疲れてて、僕はただ黙々と我慢して歩くしかなかった。

足裏が痛くなってきたので、食事を兼ねて休憩。靴の中がだいぶ蒸れてたので、靴下も脱いでできるだけ乾燥させた。ベビーパウダーを持ってきたら良かったかな。食事中、アブが延々アタックしてきた怖かった。虫にモテても嬉しくないよ…。こうした経緯から京都の自宅に帰宅後すぐにオニヤンマくんを購入。

景色も変わらないので写真もあまり撮らなかったけど、ようやく車が通れそうな林道に到着した。ここからまだ駐車場のある青木鉱泉まで40分掛かるし、まだ熊出没の看板もあるが、林道というだけで安心感が全然違って緊張がほぐれる。

下山中、何回かトレランをしている夫婦を見かけてなんて理想的なんだなと思った。最近、妻は一緒に山に登ってくれないが、アルプスは一度は見せてあげたいと今回の山行で思った。いや、見せてあげたいというか共感したいという気持ち。

13:10駐車場に到着した。帰ってこれたという安心感が凄い。ワイパーに挟んであった駐車券を持って青木鉱泉で支払いをし、あえて青木鉱泉では温泉に入らず、炭酸泉というワードに惹かれて少し離れたところにある韮崎旭温泉に行った。

最後に風呂に入ったのが8/12の夜で現在8/15。真夏に3日ぶりの入浴となり、達成感も相まってとても気持ちよかった。空いている時間帯で地元住民しかおらず静かで良かった。

温泉のテラス。見えている山が大きくてかっこいい。山梨をもう少し回りたかったけどそれはまたの機会にして、お土産屋に寄ってから適当に京都に帰った。

今回の旅で沢山の人がアルプスに登る意味がわかった。また登りたい。

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