aiデータをIllustratorの下位バージョンで開くと結構色々な不具合が生じる

イラレ

Illustratorでバージョンによってアートボードのサイズが変わり、裁ち落としが消える現象を発見したので色々試してみたメモです。

2020(24.0.3)で作成したデータを下位バージョンで開く

検証データ 保存Ver デザイン 裁ち落とし アートボードのサイズと位置
DL 2020_保存設定2020(24.0.3) 2020_デザイン全景10mmの円を配置 2020_裁ち落とし3mmずつ 2020_size100mm x 100mm
x:0 / Y:0

2020(24.0.3)で作成した上記のデータを、下位バージョンである2019(23.1.1) と 2018(22.0.1)で開きました。

警告

2018 2019
2018_警告 2019_警告
どちらもデータを開く際に警告が表示されました。

裁ち落とし

2018 2019
2018_裁ち落とし 2019_裁ち落とし
どちらも裁ち落としが無くなり0mmになりました。

アートボードのサイズと位置

2018 2019
2018_size 2019_size
どちらも四方にあった裁ち落とし(3mmずつ)がアートボードと合体されて106mm x 106mmになり、位置もX:0/Y:0だったのがX:53mm/Y-53mmに変わりました。

デザイン

2018 2019
2018_デザイン全景 2019_デザイン全景
2018_クリッピングマスク解除 2019_クリッピングマスク解除
どちらもアートボードのサイズでクリッピングマスクがかかってしまい、デザインが欠けました。クリッピングマスクを解除すると元のデザインが現れます。

2019(23.1.1)で作成したデータを上位バージョンと下位バージョンで開く

検証データ 保存Ver デザイン 裁ち落とし アートボードのサイズと位置
DL 2019_保存2019(23.1.1) 2019_デザイン全景10mmの円を配置 2019_裁ち落とし設定3mmずつ 2018_デザイン全景100mm x 100mm
X:0 / Y:0

2019(23.1.1)で作成したaiデータを上位バージョンの2020(24.0.3)、下位バージョンの2018(22.0.1)で開いてみると、どちらも正常に開くことができました。2018(22.0.1)では警告文も表示されませんでした。

まとめ

データを開く際に警告文が表示される場合は、下位バージョンで開くのは諦めて素直に最新バージョンで開くのがベターです。ただ警告文が表示されなくてもクリッピングマスクでデザインが切れている事が稀にあるので(発生条件は不明)、常に最新のバージョンで開くこと、またjpgなどで書き出したカンプデータを一緒にもらうと確実です。
サブスクリプションだから最新にしても金額は変わらないけれど、主に仕事で使用される状況が多いIllustratorで常に最新でないと、あからさまなデータ不備が生じるのは結構酷な話だと思う。僕のPCのIllustratorでもプラグインを使用していていますが、メーカーのプラグイン開発者は常に最新版への対応が必要になっているので大変だなと思います。