電子書籍化(自炊)に関する一つの結論

自宅の引っ越しを控えているため、BOOKOFFで本を売りさばいていたところ、ScanSnap(スキャナー)があるじゃんということで、書籍の自炊を仕事が終わってから個人的に勤しんでいた。代行業者もあるけど、送ったりするの面倒だな〜と思いながらやっていて、次第に本がデータ化されて物として無くなっていく事と、家のスペースが広がることが楽しくなってきた。しかし、スキャナーが読み込んでいくのをジーッと眺めている時間は、自分は何をやっているんだろうか、と思わずにはいられない時間であり、自炊自体は割と面倒かつ退屈だった。

特別手放したくなかったり、コレクション性が高かったりといった本以外を裁断して自炊するわけだが、つまりそれは手元に取っておきたいけど、その本が占領する分の家賃を払いたくないし邪魔、という事であり、それらの本を過去2年間に読んだかと言われるとNoである。そんな事を考えながら、スキャナーに吸い込まれていく本を眺めていると、次第にそもそも自炊して保存する意味すらあるのか分からなくなってきた。

BOOKOFFに売りに行った際に、何冊か古本で購入してきてスキャンしてみて、これはとても経済的だ…!と思ったが、よくよく調べてみればKindle版が販売されているし、スキャンに結構な時間を浪費していることに気がついた。これはいけない。。

自炊をすると、表紙の処理だったり、スキャンしてから読みやすいようにPhotoshopでバッチ処理をかけなくてはならない。自炊当初はNASに保存して、ストリーミングでiPadやPCで読もうと画策していたが、哀れなことにiPadでストリーミングで読めるように構築した時点で満足してしまった。ヤッター!外出先でもiPadやiPhoneで自宅のNASの本が読めるようになったよ〜!という感じで。しかも普段外出しないし。

限界まで画面を暖色系の色にしたiPadですら、目が疲れて長時間見てられなかったので、売っぱらってしまって先日、Kindle WhitePaperを購入したところ、目に優しすぎる上に便利過ぎて泣いた。

Kindleはe-inkなので全てモノクロ表示だが、自分はあんまり気にならないし、こうなったらNASじゃなくて、Kindleで読める環境にしたい(KindleからはNASにアクセス不可)。まだ検索しただけで未着手だが、Amazonに自炊したデータをアップするとKindle端末でも読めるようになる模様。しかし拡張子が特殊で、前述の処理の後、変換に次ぐ変換を行わなくてはならない。しかも自炊したデータは、元から電子書籍として販売されているものに比べると、どうしても若干傾いたり、裏写りがあったりする。あと白紙ページをどこまで残すかとか、自分の中でのルール作りが結構面倒で、ページの見開きが合わねぇゾ!ということが多々あった。一度削除したら取り返しがつかないし。

いい大人なので、何が何でも最安値で実現させる!という気概はなく、お金は多少掛かっても良いので、自分の時間は最小限で(寝たいから)、綺麗な状態の物が欲しい。そう考えていると、今手元にある本は売っぱらってKindle版を再購入するのが、一番良いのではないかと思えてきてしまった。しかし、再購入するということは、Kindle内の本棚を、歯抜け無く全巻揃えたいだけの愚行なのではないだろうか。もはや情報を買っているのか、物質を買っているのか、私には分からないし、なんで本を読む事じゃなくて、読む環境で悩んでいるんだと。

落ち着いてもう一度整理すると、私の場合、本は1度読んだらほぼ読まない。引っ越しや大掃除の際に懐かしんで読み返すくらいだ。なのでコレクションとして持っておきたい本を除き、読めたら後は不要である。全巻そろえて悦に浸るのも悪くないが、年々物欲が無くなってきているので、昔ほど揃えたいという気持ちもない。読めたらそれでいいんだ。

以上を踏まえると、経済的に一番良いのは新刊で購入して読み終わったらすぐに売る、という事である。しかしまた溜まっていったり、売りに行く手間を考えると、Kindle版をポチるのが一番、経済的、時間的にも自分に合っている気がする。なにせ167 x 116 x 8.18 mm(182g)の中に数千冊も入るのだ。一生でそんなに読む自信がない。読めない自信はある。

参考